逗子葉山暮らしのほんとのところ。

都心と鎌倉の不動産営業を経て思うこと、郊外からの移住、都内通勤や日々のこと。

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凪のお暇のアパートみたいな場所を作りたい

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障害者手帳って?

みなさん、障害者手帳にどんなイメージを持ってますか?

ぱっと思い浮かぶのは知的な障害や身体に関する障害を持っている人ではないかと思いますが、それ以外に精神的な障害でも障害者手帳が発行されます。
よく耳にするものだと、ADHD(注意欠如多動性障害)やASD(自閉症スペクトラム)などの発達障害とか、うつ病などでも進行すると発行されることも。

日常生活で障害者手帳を目にすることは多くはなく、私も自分の周りで持っている人をみたことはありませんでした。
そもそも障害者手帳を持っているとどうなるの?というところですが、身近なところではバスなどの運賃や美術館などの入場料が割引かれたりする他に、障害者枠の雇用が受けられたり、自立を目指して暮らすための助成金を申請できたりします。

障害者枠の雇用とは、長時間の仕事に不安があれば短時間からスタートできたり、まずは障害により困難だと判断される仕事を避け、指導員の指導の元できる作業から挑戦してみる、、などそれぞれの特性に配慮した働き方をすることができるものです。
それがいいかどうかは別として。


ちなみに、私も最近知ったことですが、障害だと診断されたとしても障害者手帳を必ずしも取得する必要はなく、不要だと思えば何の条件もなく返還することだってできます。
障害者手帳を持っていたとしても、それを告げず、一般の人(言い方が正しいかはわかりませんが)と同様に雇用を受けることもできる。
本人が使いたい時にだけ使えばいい、そういうものなんだそうです。

そんな位置づけの障害者手帳なので、持っていることが足かせになることはほとんどありません。
もちろん大人になってから申請する場合であれば、本人が”障害者になる”ということへの不安や、”障害をもっていることを自ら認める”ことへの抵抗を覚えることはあるだろうし、それが原因となって一時的に精神的により不安定になってしまうこともあるかも知れません。

障害者手帳を持つことを家族や身の回りの人たちがどう捉えるかなどの問題もあります。
そもそもそういう偏見がなくなることが一番ですが、現実はそうはうまくいかないものだと、残念ですがそう思います。

私の知人に、50代の障害をお持ちの方がいます。
今は親御さんが食事をつくり、身の回りのお世話をし、仕事はせず家にひきこもる毎日。

今は親御さんが本人を気遣って身の回りのお世話をしてあげられているとしても、そう遠くない将来その親御さんは当然子供よりも先にこの世を去ることになる。
その時に可愛い我が子を露頭に迷わせるくらいならば、障害者手帳を取る取らないに関わらず、その子の障害を認めてその障害にあった対応、自立を目指す試み、をした方がよいのではないか、とそう思うのです。

 

もちろん私は当事者ではないし、子供もいません。
当事者の人たちの気持ちなんてこれっぽっちもわかっていない、そう思われる方もいると思います。
私もこの先自分の状況が変わり考えが変わっていくこともあるかも知れませんが、今はそう思っています。

 

自分も障害を持っているかも知れない

障害だと診断されたとしても障害者手帳を必ずしも取得する必要はない、という話ですが、つまり、障害を持っていると認識しながらも障害者手帳を取得していない人もたくさんいるはずで、障害者手帳を持っていても活用していない人だって身の回りにそれなりにいるはずなのです。

そう思うと、障害者と健常者の線引ってなんだかすごく曖昧な気がしませんか?
程度の強弱に関わらず、当事者が申請したかどうかで障害が決まる、そういうことなんです。

以前ADHDのスタッフの話を旦那さんにしたとき、彼はその症状のほとんどの項目に自分が該当すると思い、病院に行ったそうです。
先生には、誰でもその程度の傾向はあるから薬は出せないよ、と断られたそうですが、確かに旦那さんだけでなく、私自身も、それに自分の身の回りの人だってそういった症状らしきものを感じる人は何人か思い浮かびました。

パニック障害の人、摂食障害の人、人とコミュニケーションが極端に取れない人、ゴミ屋敷をつくってしまう人、仕事もせず引きこもっている人。
その時はそれらを障害だとは思っていませんでしたが、障害者というくくりの曖昧さに気づいたときから、障害って思っていたよりも身近なものなのかも知れない、そう思うようになりました。

むやみに障害者手帳を取ろう!とは思いませんが、自分が障害を持っていることに気づかず、自分を責め続けた結果、より良くない方向に進んでしまっていることもあるかも知れない。
あれ?これは障害なんじゃないかな・・?と気づき、必要なお手伝いを受けて生きていく、もしくは自立を目指してサポートを受ける、もしくはそういう考えを持つだけでも状況がいい方向に進んでいくこともあるかも知れません。
そこに過度な抵抗を覚えず行動できるような環境をつくることができたらいいな、と思います。 

 

凪のお暇のアパートみたいな場所を作りたい

みなさんは”凪のお暇”っていうドラマを見たことありますか?
(本来のドラマの趣旨とは違うかも知れませんが)とある古いアパートに住む、訳ありな人たちが、お互い支え合って楽しく生きていく日々を描いたお話なんですが、私達の思い描く村のイメージはそんな感じ。

小さな子ども、シングルマザー、単身の男性女性に、子供を持たない夫婦、そしておじいちゃんおばあちゃん。
年齢も性別も考え方も異なる人達だけど、それぞれができること、できないこと、得意なこと、苦手なこと、を補填しあっていく。
いわゆる昔の村だと思うんですが、それを現代の、しかも完全な田舎とは言えないこの街で作れたらいいな、と。

方法はいろいろあると思うのですが、これまでの経緯や、私たちは数年前にお母さんが始めた障害者のグループホームで、親戚や近所の方々が生き生きと働いていることを見てきたこともあって同じ方法を選ぶことにしました。

 

もちろん思うところはいろいろあって。
福祉とは全く違う世界で生きてきた私たちが果たしてちゃんとしたグループホームを運営できるのか、とか、そもそも専門的な知識に乏しい私たちが挑戦していいことなのだろうか、とか。

この1年、福祉のお仕事に長年携わってきた方や、今もグループホームで働いている人、障害を持っている方がいる方の家族、などいろいろな方に意見を聞き、何度も何度も自分たちなりに考え、話し合いを重ねてきましたが、2021年いろいろな縁もつながって自分たちのグループホームを始めることにしました。
専門家に頼るべきところは頼って、私たちらしい、私たちにしかできないグループホームを。

障害者といえども、同じ人間。
健常者が自立を目指している障害を持っている方のお手伝いをし、障害を持っている方に健常者に足りないことを教えてもらう。
一人ひとりと向き合って、そんな持ちつ持たれつの関係と、それが叶う場所をつくることを目指して。

まだまだ準備の段階ではありますが、今後随時ご報告させていただきます。
私たち同様、障害とは全く関係のない世界で生きてきた方にも、考えてもらえるきっかけになったら嬉しいです。

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