そうして、土地の購入からちょうど1年経った12月のある日、ついにマイホームの引渡しを受けました。
実は引き渡し前にも色々あって、融資先に提出する必要書類の案内がその都度きたことで月に何度も3時間近くかかる本籍地まで書類を取りに行かなくてはならなかったり。
当初の引き渡し日に家の竣工が間に合わず、色々と調整を余儀なくされたり。
引き渡しが近づいてきたタイミングで、父の大腸がんが再発したり。
え!そもそもお父さん大丈夫なの??と心配しながらも、契約自体は完了しているから入院中に所有権の移転登記の準備を進めなくてはならず、、病院まで司法書士の先生にきていただき、病院のロビーで説明を受け書類への署名捺印をするという、貴重な経験をしました。
人生を左右するような大きなことを動かす時って、かなりの確率でトラブルが起こるもの。
不動産や結婚式場で働いていた時、親御さんが倒れてしまって、、なんて理由で引越しや結婚式を見送るなんて話はちょこちょこ聞いたことがあったけれど、なぜか本当にこういうタイミングで起こるんだなぁ。
まぁ言葉にするとたったこれだけのことなのだけれど、実際には自分の仕事プラス各方面との調整、変更の手続きなどで、パツパツのカッツカッツだったし、間に合うのか間に合わないのかわからないぎりぎりのところでの判断はかなりのストレスで、家の購入でもっともストレスのかかった時期でした。
と、紆余曲折あったけれど、どうにか無事家の引き渡しを受けた私たち。
そうそう、それと家を建てる全ての人に伝えたいこと。
それは、できるだけ建築中の家をこまめに見に行ってほしい!!ということ。
自分が家を建ててみて、打ち合わせで作ったぺらっぺらの図面からわかることなんて、ほんの一部なんだと実感しました。
注文住宅って、ゼロから間取りをつくるのはもちろん、スイッチの場所、スイッチプレートの種類、どことどこのスイッチを一緒にまとめるか、とか床の見切りの方法、窓の大きさや種類、床からの高さ、、と数えきれないほどの項目を決めていかなくてはならず、その全ての情報が、図面に盛り込まれている(はず…!)なんですが、当然それがそうなった経緯や思惑が図面にのっているわけではないんです。
そもそも、何時間もかけて担当者と打ち合わせをしたり、その打ち合わせに向けて家族で想像しながらあーだこーだ話し合って考えに考えて決めたことが、必ずしも自分たちが想像しているものと合っていたのかもわからないし、担当者が正しく想像して的確なアドバイスをくれていたとしても、その感覚が自分達と同じとは限らない。
玄関の奥行きは一般的に何センチがいいよと言われたって、数字で見たっていまいちよくわからないし、今住んでいる家にあてはめて想像してみても、窓の位置も配置も、窓から見える景色も、壁の色もその空間に入っていく角度も、全てが同じでない限り、自分がそこに立った時に受ける印象は違うものだから、どれだけ考えぬいても限界があると思うんです。
だからできるだけ現場に行って実際に見て、その場でもいっかい想像しなおして、ここはもう少しこうしたいとか、そういう微調整を相談することが、より良い家づくりにつながるのではないかなぁと。
もちろん建築確認に影響するような大きな変更はできないし、あまり多くの要望をだしすぎてしまうのは、現場の職人さんへの負担も大きく、工期にも影響がでるのでおすすめしません。
それに、どこまで話を聞いてくれるかは、職人さんによるのかも…
ラッキーなことに、私たちの家を建ててくれた職人さんは、建築現場に立ち寄るたびに、「あ、ちょうどよかった!ここどうします??」ってこちらの意向を積極的に聞きながら進めてくれる素敵な方でした。
できるだけ空間を広く開放的に、というのが私たちの優先事項で、たとえ多少使い勝手が悪かろうとも、掃除がしにくかろうとも、空間をそのイメージに近づけることの方を大切に考えていました。
本当はリビングとバルコニーをひとつの空間とするために、リビングとバルコニーの床面の高さを揃えたかったのだけど、それをするだけでも排水の関係で費用が余分にかかってしまう。
考えに考えた結果、費用を抑え、ついでに諦めていた窓辺にベンチを置きたいという私の希望を叶えられる方法…
バルコニーの床面はリビングの床と同じ高さのままで、ウッドデッキの高さとベンチの高さをあわせることにしました。
(ん?意味わからない!という方は、次回更新のご参照をm(_ _)m)
とはいえそんなことは現場の職人さんは知る由もなく。
もちろん窓の位置は図面をきちんと確認すれば書いてあったことなのだけれど、家の完成までには数えきれない程の工程があるし、職人さんだって人間だもの。
経験と勘でそうだと思い込んで進めてしまうことだって当然あるわけで、リビングの掃き出し窓は、掃き出し窓のあるべき姿、床からわずか数センチの高さに設置されていました。
お散歩がてら立ち寄ったある日、そのことに気がついた私たち。
幸いクロスも外壁も仕上がる前だったので、軽い是正工事ですんだものの、もしこれが発覚したのが完成した後だったらと思うと…
工期がぎりぎりに迫っていたりしたら、もうこのままでいっか、となっていたかも知れないし、そうせざるを得なかったかもしれません。
そう思うと、あのタイミングで見に行けて本当によかったなぁと。
その他にもちょこちょこっとした認識の違いや、私たちが正しく想像できていなかったことなんかもあり、何度かの微調整ややり直しを経て、今のお家が完成しました。
"家は3回建てないと満足できない"とはよく言ったもので、家づくりって、本当に難しく、本当に面白い。
業者さんが作り上げた一般的に使いやすいお家は間違えないし、完成したお家を買うのは安心だけど、ぜひ苦労しながらもゼロからの自分だけの家づくりを経験してみてほしいなと思います。
長くなりましたが、私が葉山に土地を買って二世帯住宅を建てるまでのあれこれ、一旦ここで(どうにか年内に…!!)一区切り。
不定期な配信に、ここまでお付き合いくださったみなさま、本当にありがとうございました。
来年は、お家を建てる時にやってよかったことや失敗したこと、その後の暮らしなんかをちょこちょこ書いていきたいと思います。
マイペースでいつもドタバタな私ですが、来年もどうぞよろしくお願い致します。